思いがけず利他
10刷

思いがけず利他

中島岳志
  • 定価 1,600 円+税
  • 判型四六判
  • 頁数184 ページ
  • 発刊2021年10月25日
  • ISBN9784909394590
  • Cコード0095
  • 装丁矢萩多聞
取扱書店 一冊!取引所

本の詳細

It’s automatic!?
誰かのためになる瞬間は、いつも偶然に、未来からやってくる。

東京工業大学で「利他プロジェクト」を立ち上げ、『利他とは何か』『料理と利他』などで刺激的な議論を展開する筆者、待望の単著!
今、「他者と共にあること」を問うすべての人へ。

自己責任論も、「共感」一辺倒も、さようなら。
**
偽善、負債、支配、利己性……。利他的になることは、そう簡単ではありません。
しかし、自己責任論が蔓延し、人間を生産性によって価値づける社会を打破する契機が、「利他」には含まれていることも確かです。——「はじめに」より


本書は、「利他」の困難と可能性を考える。手がかりとなるのは、居心地の悪いケアの場面、古典落語の不可解な筋書き、「証明できない」数学者の直観、「自然に沿う」職人仕事の境地、九鬼周造が追求した「私は私ではなかったかもしれない」という偶然性の哲学……など。
「利他の主体はどこまでも、受け手の側にあるということです。この意味において、私たちは利他的なことを行うことができません」「利他的になるためは、器のような存在になり、与格的主体を取り戻すことが必要」 ——本文より

意思や利害計算や合理性の「そと」で、
私を動かし、喜びを循環させ、人と人とをつなぐものとは?

◎10月20日リアル書店先行発売!

ミシマ社創業15周年記念企画

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本文中の記載に、次のとおり誤りがございました。

・初版第1刷 160ページ2行目
(誤)私という偶然的な非贈与性
(正) 私という偶然的な被贈与性

訂正し、謹んでお詫び申し上げます。 編集部

目次

はじめに 第一章 業の力——It’s automatic 第二章 やって来る——与格の構造 第三章 受け取ること 第四章 偶然と運命 おわりに

著者情報

著: 中島岳志(ナカジマタケシ)

1975 年大阪生まれ。東京工業大学リベラルアーツ 研究教育院教授。専攻は南アジア地域研究、近代日 本政治思想。2005 年、『中村屋のボース』で大佛次 郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞。著書に『秋 葉原事件』『「リベラル保守」宣言』『血盟団事件』『保 守と立憲』『親鸞と日本主義』『利他とは何か』(共著) など。ミシマ社からは『現代の超克』(若松英輔との共 著)『料理と利他』(土井善晴との共著)を刊行。

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対談掲載!

パブリシティ情報

・10/23(土)朝日新聞 中島岳志先生インタビュー記事で紹介
・11/2(火)朝日新聞「折々のことば」で紹介
・11/2(火)TOKYO FM「FUTURES」で紹介
・11/3(水)朝日新聞 後藤正文さん「朝からロック」で紹介
・11/4(木)「週刊新潮」 2021年11月11日号 立川談四楼さんによる書評が掲載!
・11/5(金)TBSラジオ「アシタノカレッジ」ゲスト出演
・12/1(水)『Meets Regional』2022年1月号 永江朗さんによる書評が掲載!
・12/12(日)北海道新聞 料理研究家・土井善晴さんによる書評が掲載!
“さまざまな利他が考察される「思いがけず利他」という本著が持つ利他性により、利他がわかれば、利他のはたらくコンディションがもたらされると思うのは欲望か。”(北海道新聞書評より)