現代の超克
2刷

現代の超克

本当の「読む」を取り戻す

中島 岳志
若松 英輔
  • 定価 1,800 円+税
  • 判型四六版並製
  • 頁数248 ページ
  • 発刊2014年08月22日
  • ISBN9784903908540
  • Cコード0095
  • 装丁矢萩多聞
取扱書店 一冊!取引所

本の詳細

現代日本の混迷を救うため、 気鋭の政治哲学者、批評家の二人が挑んだ、全身全霊の対話。 柳宗悦、ガンディー、小林秀雄、福田恆存、『近代の超克』... 今こそ、名著の声を聴け! この本をめぐる私たちの対話から浮かび上がってきたのは、神の問題、霊性、科学や歴史の問題という、日本人が近代に置き去りにしてきてしまったものたちでした。そしてそれらは、iPSの技術や原発の問題など現代的なさまざまな問題と、分かちがたく結びついています。近代を「読む」とは、置き去りにしてきたことをもう一度捉え直すことであり、そこを読み解くことができなければ、現代的な問題を解くこともまたできないのです。 ――プロローグより―― 本書で「読む」主な本 『南無阿弥陀仏』『新編 美の法門』(柳宗悦) 『ガンディー 獄中からの手紙』(ガンディー) 『モオツァルト・無常という事』(小林秀雄) 『人間・この劇的なるもの』(福田恆存) 『近代の超克』(河上徹太郎、西谷啓治、鈴木成高、吉満義彦ほか)

目次

プロローグ 第一章 民衆と美 柳宗悦『南無阿弥陀仏』『美の法門』を読む 民衆と「ことば」 民の力 美と宗教、そして政治 個であることと伝統 第二章 近代と政治  ~『ガンディー 獄中からの手紙』を読む~ ダルマとトポス 愛と罪 死者のデモクラシー 積極的な受け身 第三章 「死者」を生きる ~小林秀雄と福田恆存を読む~  W『モオツァルト・無常という事』 N『人間・この劇的なるもの』   N・W「死者」を生きる 第四章 近代の問い 〜『近代の超克』を読む〜  神の問題 霊性の問題  科学の問題  歴史の問題 あとがき

著者情報

著: 中島 岳志(ナカジマタケシ)

中島岳志(なかじま・たけし) 1975年、大阪府生まれ。北海道大学大学院法学研究科准教授。大阪外国語大学でヒンディー語を専攻。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。専門は南アジア地域研究、近代思想史。著書に、『中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社、大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞)、『秋葉原事件―加藤智大の軌跡』(朝日文庫)、『血盟団事件』(文藝春秋)、『アジア主義 ―その先の近代へ』(潮出版社)等多数。

著: 若松 英輔(ワカマツエイスケ)

若松英輔(わかまつ・えいすけ) 1968年、新潟県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。批評家、思想家。「越知保夫とその時代」で第14回三田文学新人賞受賞。著書に、『井筒俊彦―叡知の哲学』( 慶應義塾大学出版会)、『魂にふれる―大震災と、生きている死者』(トランスビュー)、『岡倉天心「茶の本」を読む』(岩波現代文庫)、『涙のしずくに洗われて咲きいづるもの』『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた』(以上、河出書房新社)等多数。

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