本の詳細
現代日本の混迷を救うため、
気鋭の政治哲学者、批評家の二人が挑んだ、全身全霊の対話。
柳宗悦、ガンディー、小林秀雄、福田恆存、『近代の超克』...
今こそ、名著の声を聴け!
この本をめぐる私たちの対話から浮かび上がってきたのは、神の問題、霊性、科学や歴史の問題という、日本人が近代に置き去りにしてきてしまったものたちでした。そしてそれらは、iPSの技術や原発の問題など現代的なさまざまな問題と、分かちがたく結びついています。近代を「読む」とは、置き去りにしてきたことをもう一度捉え直すことであり、そこを読み解くことができなければ、現代的な問題を解くこともまたできないのです。
――プロローグより――
本書で「読む」主な本
『南無阿弥陀仏』『新編 美の法門』(柳宗悦)
『ガンディー 獄中からの手紙』(ガンディー)
『モオツァルト・無常という事』(小林秀雄)
『人間・この劇的なるもの』(福田恆存)
『近代の超克』(河上徹太郎、西谷啓治、鈴木成高、吉満義彦ほか)
目次
プロローグ
第一章 民衆と美 柳宗悦『南無阿弥陀仏』『美の法門』を読む
民衆と「ことば」
民の力
美と宗教、そして政治
個であることと伝統
第二章 近代と政治 ~『ガンディー 獄中からの手紙』を読む~
ダルマとトポス
愛と罪
死者のデモクラシー
積極的な受け身
第三章 「死者」を生きる ~小林秀雄と福田恆存を読む~
W『モオツァルト・無常という事』
N『人間・この劇的なるもの』
N・W「死者」を生きる
第四章 近代の問い 〜『近代の超克』を読む〜
神の問題
霊性の問題
科学の問題
歴史の問題
あとがき