原点回帰の出版社、株式会社ミシマ社

本のご紹介

縁食論

縁食論――孤食と共食のあいだ

藤原辰史(著)

1,700円+税

刷り:3刷
判型:四六判並製
頁数:192ページ
装丁:鈴木千佳子
発刊:2020年11月20日
ISBN:978-4-909394-43-9 C0095

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内容

子ども食堂、炊き出し、町の食堂、居酒屋、縁側…
オフィシャルでも、プライベートでもなく。
 
世界人口の9人に1人が飢餓で苦しむ地球、義務教育なのに給食無料化が進まない島国。ひとりぼっちで食べる「孤食」とも、強いつながりを強制されて食べる「共食」とも異なる、「あたらしい食のかたち」を、歴史学の立場から探り、描く。
 
現代社会が抱える政治的、経済的問題を「家族や個人のがんばり」に押し付けないために。
 
 
<<ミシマ社創業15周年記念企画>>
 
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著者情報

藤原辰史(ふじはら・たつし)

1976年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史、食の思想史。2006年『ナチス・ドイツの有機農業』で日本ドイツ学会奨励賞、2013年『ナチスのキッチン』で河合隼雄学芸賞、2019年日本学術振興会賞、同年『給食の歴史』で辻静雄食文化賞、『分解の哲学』でサントリー学芸賞を受賞。『カブラの冬』『稲の大東亜共栄圏』『食べること考えること』『トラクターの世界史』『食べるとはどういうことか』ほか著書多数。

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ミシマガ情報

藤原さんからのビデオメッセージを掲載しています!

松村圭一郎さんと、編集担当・三島からのコメントを掲載しています!

縁食から世界を変える(1)
縁食から世界を変える(2)

『縁食論』、パブリシティぞくぞく!

縁食論後縁録

発刊後も深まる『縁食論』のいま
 

 

パブリシティ情報

【新聞・雑誌】

縁食とは、藤原さんの造語。その場に複数の人間がいるから孤食ではないけれど、強い共同体意識を求める共食でもない。この場合の「縁」とは「深くて重いつながりではなく、単に、めぐりあわせ、という意味だ」という。それは「目的でつながりすぎた社会」への批判でもある。(…中略…)「私たちの社会は、コロナに耐えられなかった。抜き打ちテストに失敗したのだ」と捉え、「コロナが終息した後は、現代社会がひたすら切り崩してきた『共有の場所』をもう一度作る必要がある。縁食の場は、その拠点になるだろう」と話している。
――著者インタビュー(2020年12月11日、京都新聞


「縁食」を求める人々の思いは強いとみる。誰かが食材を用意し、運び、料理する。「食は、自分が頼りない存在であり、人に助けてもらわないと生きていけないのだという『生の急所』を明らかにするものです」
――著者インタビュー(共同通信配信)

ポスト資本主義の生き方を思わぬ角度から照らし出す。銭湯という公衆浴場があるのなら、公衆食堂というものがあってもいい。そこは孤食ほど孤独ではなく、家族のだんらんほど押し付けがましくもない、緩やかな連帯がある。それを著者は縁食と名付けた。縁食の場は、単なる食事の場を超えたポスト資本主義の行方すら指し示している。
――平川克美さん 書評(2020年12月27日、北海道新聞

農業史や食の思想史を専門とする著者は、縁食の風景を紹介するのみならず、それら周辺の問題にまで深く潜っていく。孤食の問題を「家族」に押し付け、共食に「家族愛」を期待する政府。義務教育なのに給食無料化が進まない島国。「家庭でも職場でもない、第三の居心地のいい場所」を指す「サードプレイス」という概念が、女性や人と群れるのが嫌いな人を排除しているという指摘。問題の背景となる歴史ごと掘り返して臨む著者の姿勢に、「あたらしい食のかたち」を模索する本気度が感じられ、1ページ1ページを心して読んだ。
――佐々木ののかさん 書評(2020年12月29日、「ダ・ヴィンチ」

ドラマ「孤独のグルメ」で主演をつとめる俳優・松重豊さんとの対談が掲載!
ハプニングの寛容は食そのもの 松重豊と藤原辰史が語る(朝日新聞、2021年1月1日)

ポストコロナの時代に、私たちが新しい「巡り合いの場」を取り戻すためのヒントと発見が散りばめられている。
――戸嶋誠司さん 書評(2021年1月16日、西日本新聞

食事は悩みのもとであってはいけない。今日の疲れをいたわり、明日への活力を生む、楽しいものであるべきだ。
そんなまっとうな考え方がまぶしい。
――渡邊十絲子さん 書評(2021年1月23日、毎日新聞)

食べることをご縁として、家族でもない人々を信じられたり、なにかあれば誰でも「お互いさま」と支えあえる社会づくりをあきらめないで。そう励まされた気がした。
――玄田有史さん 書評(2021年1月23日、東京新聞/2021年1月24日、中日新聞)

【ラジオ】
◎2020年12月27日(日)放送のNHKラジオ第1「マイあさ!」の「著者からの手紙」コーナーに著者出演!
◎2021年1月6日(水)KBSラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に著者出演!

 

 

書店員の方々の声

ああ、あれも縁食だったんだと、読みながら何度もそう思い、頭の中は懐かしい情景でいっぱいになりました。孤食に漂う負の気配、共食から滲み出てくる「こうあるべき」という固定観念。そう感じてしまう自分もまた、思考の柔軟性を失っているのではと、本書の様々な角度からの縁食の方が気付かせてくれ、そして時にはどきりと考えさせられました。なんとなく作業のように「食」を流してしまっている、そんな方たちにこそ本書を読んでもらい、立ち止まり、まず今日の一食、そのあり方に思いを巡らせてほしい、そう強く感じる内容でした。なぜなら、私自身もそのひとりだったので。
ーー紀伊國屋書店 新宿本店 鳥羽遼太郎さん
 
食べることの裏側には、必ず、飢えがある。でも、私たちは普段気がつかない。この本は、いま目の前にある当たり前の後ろにあるものに、耳をすまし、ちいさくされたものの言葉を拾って、きちんと届けてくれる。これほど美しく、切ない人文書が今まであっただろうか。読み終わった今なお、考え続けています。
ーー梅田 蔦屋書店 三砂慶明さん
 
食とは。家族とは。
固定観念を解きほぐし、問題を明らかにする中で、
人と人とがめぐり合う「縁食」という新たな食のあり方を示した本書は、
この世界のあり方を根底から変えるための羅針盤だ。
今より少し、居心地の良い世界を共に築くために。
ーー代官山 蔦屋書店 宮台由美子さん
 
藤原さんの語り口は穏やかではあるけれど、ものすごくアナーキーな内容でもあると思いました。これまでのシステムのほころびがどんどん明らかになっている今、歴史家という立場から、「どうにか、何とかしたい」という、熱いものを文章の端々から感じました。ちょっと驚きましたが、ここに収められた原稿は、そのほとんどがコロナ禍以前のもののようですが、その事実からも、今の状況はかねてから危惧されていたことが明るみになっただけのことなのだと改めて思いました。明るい未来のカタチを想像することが難しい今、歴史家として渾身の力を込めて描き出された社会のあり方を、見せていただいたように思います。今こそ必要である、「人文学」の底力を感じました!! たくさんの方に届けたい!!
ーー紀伊國屋書店 札幌本店 林下沙代さん

目次

第1章 縁食とは何か――孤食と共食のあいだ
孤食の宇宙/しわ寄せ引き受け装置/共食という袋小路/子ども食堂の「弱目的性」/ベーシックインカムと食堂/炊き出し/「縁食」という食のあり方/縁食の使用例/「かざぐるま」としての縁食
 
第2章 縁食のかたち
1 公衆食堂の小史
食をめぐる関係性の貧困/きっかけは第一次世界大戦/文化が集積する場所
2 食の囲い込み
「家族愛」という罠/囲うこと/近代家族とちゃぶ台/学食のパーテーション
3 食の脱商品化考
食べものに値段がなかったら/五つの問題を乗り越える/メカニズムを保つために捨てられる食品/食べものの特質から考える
 
第3章 縁食のながめ
1 弁当と給食の弁証法
弁当の魅力/弁当の暴力/給食の暴力/弁当と給食の弁証法
2 無料食堂試論
思考の風景/ムラサキシキブの食堂にて/飢餓と関係性/食をめぐるアイディア/有機認証のいらない有機農作物/アテネのアゴラ/インドの無料食堂
3 縁側のタバコ
おやつの時間/縁側の力/オフィシャルでもなく、プライベートでもなく/縁食の縁
 
第4章 縁食のにぎわい
1 死者と食べる
死者のおむすび/大尉の銀シャリ/中国人のトウモロコシ/死者との縁食/死者とともに食べる
2 食を聴く
せんべいの音/胎児の聴く音/こすり合う音/縁食の音
3 縁食の祭り――『ポースケ』に寄せて
言葉を飲み込む/佳枝の場合――睡眠障害者の居場所/ヨシカの場合――誰かの薄い気配/ポースケ――縁食の祭り/別れ
 
第5章 縁食の人文学
1 「もれ」について――「直耕」としての食
生命の動詞、「洩る」/昌益の「土と内臓」論/「もれ」の効用/基本的に食べものは「あまる」
2 パンデミックの孤独――「居心地のよい空間」をめぐる人文学
パンデミックが機能させないもの/ひとり親の声が示す社会の脆弱性/シングルマザーの言葉の有用性/「サードプレイス」について/「サードプレイス」はひとり親を排除するのか/アウシュヴィッツの縁食
 

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