本の詳細
◆内容
20世紀文明――「豊かさ」は世界の一割の先進国の人たちのもの。
21世紀文明――世界中の人たちが、先進国と同レベルの豊かさを享受。かつ、地球環境をまったく痛めないもの。
この21世紀文明-「脱」ひとり勝ち文明― は、「すぐにでも実現可能!」と著者は言う。
それにより、「エネルギー問題」「環境問題」「経済対策」…現代の問題をいっきに解決することができるのだ、と。
著者は、30年間、電気自動車と太陽電池の研究に携わり、「未来のクルマ」Eliicaを開発。
その開発現場の生の声として、20世紀に開発された技術をつかえば、今すぐにでも21世紀型の文明を作ることができると断言する。
しかし、日本のいまの変革スピードでは、その主役を他国に持っていかれてしまいかねない状況にある。
つまり、次の文明でも、欧米や中国の「ひとり勝ち」を許してしまう可能性が高い。
日本型の「勝ち負けを作らない」、新しいタイプの文明(脱「ひとり勝ち」文明)を真剣にめざすべきではないか。
「希望」に満ちた未来をつくるために、今こそ日本発、日本型の文明を実現しよう!
「未来のクルマ」Eliica開発者が語る、新文明論。
◆パブリシティ情報
「環境にしても、経済にしても、不安をあおる情報が数多ある中で、本書は根本的かつ革新的な問題解決を促す内容となっている。」
(「ソトコト」09年8月号)
「『誰もやろうとしないが、やれば必ず成果が出る方法』を探し当てる発想法にも瞠目。曇り空に薄日が差す思いがした。」
(「朝日新聞」09年7月26日付)
「社会起業的な視点で説かれた文明論」
(ブックファースト吉祥寺店 平井直子氏、「週刊ダイヤモンド」09年7月13日号)
「科学技術をちゃんと信頼してみようという、すがすがしい気持ちになった。」
(広岡守穂氏、共同通信配信書評、各地方紙随時掲載中)
「本書のメッセージは明るい未来を予感させる。本当に、未来は変わるかもしれない」
(井上英樹氏「ソトコト」09年8月号)
小飼弾氏「週刊ダイヤモンド」(09年7月11日)
いままでのような経済成長はもはやない、という問いへの一つの答えが示されている」
(笈入建志「週刊現代」09年7月4日号)
「まさに出るべきときに、出すべき人が出した一冊だ。」
(小飼弾氏ブログ「404 Blog Not Found」6月5日掲載)
◆書店員の方々の声
素晴らしい、の一言に尽きる。この本はただの本ではない。
本という形をとった“未来”であり“希望”である。(ジュンク堂書店池袋本店 大内達也氏)
環境問題や貧困など、悪い部分の問題提起は数多いが、具体的な解決策は提示されない。清水氏は、「問題の向こうにあるもの」を、わかりやすく本書で示している。(リブロ別府店 祐保博美氏)
私は悲観論者で、未来に対しても諦めモードだったんですが、我々にさす一筋の光が見えた…それくらい根本のところで常識が覆された。(さわや書店本店 松本大介氏)
こんなに穏やかな語り口でこんなに一気に目を開かされ、興奮させられた本は初めて。まさしく希望の書。(有隣堂AKIBA店 門脇順子氏)
◆目次
第1章 脱「ひとり勝ち」文明へ
第2章 未来は、電気自動車の中にある
第3章 「エリーカ」開発で見えてきたこと
第4章 日本発、日本型の文明を!
目次
1 脱「ひとり勝ち」文明へ
・高校生の九割が、「未来は悪くなる」と予測している時代
・温暖化問題は、まだ、本当には議論されていない?
・「ひとり勝ち」文明は、一回目の革命に過ぎない
・「科学の進歩」は「思想の自由」で生まれる!
・トランジスタも太陽電池も量子力学から生まれた
・「変化」「革命」は、想像よりも近くにあるもの
・世界一のチャンスを「つかむ、逃す」の岐路に立っている
・太陽電池の普及は、「貧困」をなくしてくれるもの
・新しいワクの生まれやすい時代
・いまは、二回目の産業革命を迎える時代である
2 未来は、電気自動車の中にある
・ 「エネルギー問題」への回答を詰めこんだ電気自動車ができた
・電気自動車は、二十世紀技術を効果的に使った「未来の縮図」
・人間は、クルマを捨てられない生きもの
・東京から名古屋まで、電気自動車なら三百円で走れる
・「エリーカ」と他の電気自動車はどのようにちがうのか
・太陽電池は、産業化のいちばんおもしろいところにある
・太陽電池は、すぐに導入を始めるほど、いい効果を得ることができる
3 「エリーカ」開発で見えてきたこと
・人生の「タマ拾い」はしたくなかった
・プレゼンが人生の道を拓く
・五億円の予算で世界最大のレーザーレーダー装置を作る
・電気自動車は競争相手がいない……脱「ひとり勝ち」はここだ
・五年でできると思っていたら、三十年かかった
・リチウムイオン電池は、日本人が発明したものである
・自分は考えることに専念して、パッと開発を進めるという方法論
・クルマの定番は八輪車になる
・開発現場から見えてきた、脱「ひとり勝ち」社会とは
4 日本発、日本型の文明を!
・古い技術が新しい技術に変化するのは、わずか七年
・新しい技術に入れかわれば、マーケットは倍増する
・変化が起きにくいのは、バリューチェーンのワクがあるから
・「世論」がイノベーションのジレンマを断ち切る
・二十一世紀型文明の議論をするときがきた
・脱「ひとり勝ち」文明になれば、温暖化問題も抜本的に解決する
・経済的勝利よりも大切なもの
・困難な時代を「軟着陸」で乗りこえるために