これまで2年間、森田真生さん、瀬戸昌宣さんと、コミュニティの皆さんとともに歩んできた「学びの未来」(これまでの歩みは、「学びの未来のこれまでとこれから」や「学習権をめぐる対話」をご覧ください)。
左:森田真生さん 右:瀬戸昌宣さん
対話を重ねるなかで、さまざまな「新しい学びのかたち」がみえてきました。
そしてちょうど2年となるこのタイミングで、見えてきた可能性を実践すべく、学校を開校することになりました。その名も「学びの場をつくる学校」。
この学校の目標は、参加者の皆さんがそれぞれの場所で新たな学びの場をつくることです。
学びが起こるのは教室のなかだけではありません。通学路や山のなか、友だちと遊んでいるときやご近所さんとの会話のなかなど、ふとした瞬間に学びは起動します。そして、こういった小さな学びの場が少しずつ増えていったら、学びの未来は変わっていくはずです。
ばらばらに散らばっているけれど、手を伸ばしたときにいつでも届く、ふらりと立ち寄って、いることができる。そんな学びの場のある風景が当たり前になることを願って、この「学びの場をつくる学校」を開校します。下記に森田さんがメッセージを寄せてくださいましたので、ご一読いただけましたら幸いです。
みなさんこんにちは。森田真生です。
4月に新しい「学校」を始めます。といっても、校舎はありません。みんなで一つの屋根のもとに集まる学校ではありません。むしろこれは、学びの場をあらゆる閉じた空間から解放しようという呼びかけです。すべての人が、それぞれの場所で、自分自身の学びの場を作ってしまおう、という提案です。
僕と瀬戸昌宣さんは、2020年の春以来、二年にわたって「学びの未来」を構想する対話を重ねてきました。そこで僕たちは、学校や家、塾だけでなく、どうしたら「地球そのものが自分たちの学びの場だ」と、実感できる環境を作れるかを考えてきました。結論から言えば、そのためには、どんなに素晴らしい学校を一つ作っても間に合いません。この地球上に散らばる、僕たち一人一人が、どれほど小さくとも、それぞれが学びの場の主宰者になっていくこと。それこそが、けっきょくは最もたしかな方法なのではないでしょうか。
たとえば週に一時間だけでもいい。月に一日だけでもいい。自分の仕事、あるいは自分の暮らしを、身近な子どもたちにとっての学びの場として開く。そうして少しずつ、世界のあちこちに学びの空間が開いていけば、子どもたちは、自分たちの暮らす地域、あるいは地球そのものが、学びの場なのだと、実感できるようになっていくのではないでしょうか。
学びの場をつくることを、大袈裟に考えるのではなく、もっとカジュアルに、気軽に、無理のないペースと規模で、はじめてみること。瀬戸さんが各地で立ち上げているi.Dareという学びの場は、そのための大きなヒントになります。
自分の頭で考え、行動していく学びの場所は、どこかから与えてもらうものではなく、自分たちで作っていく、自分たちで作っていけるものなのだと、考えてみたいと思います。そうして、世界の各地に、同時多発的に、新たな学びの場所を立ち上げていくこと。これが「学びの場をつくる学校」が目指す未来です。
僕自身もこの春から、身近にいる子どもたちとチームを組んで、小さな学びの場を始めます。ここでは、そんなひとりひとりの実践を持ち寄り、理想と情熱を分かち合いながら、ともに学びの未来を紡いでいきたいと思います。
新たな出会いを心から楽しみにしています。
2022年3月22日 森田真生
【上旬】森田真生さんによる問いかけ&レクチャー
学びの場を作るためのヒントとなる思考や実践を森田さんが調査、研究し、月に一度、音声配信のレクチャーの形で発表します。毎月ここで、森田さんからコミュニティメンバーへ、その月の思考と実践の軸となる問いかけをしていただきます。
(5月9日12:00〜 ライブ収録いたします)
【中旬】ゲストを呼んだ座談会
第1回は、4月15日に人類学者の松村圭一郎さんをお迎えしました。
第2回の予定は、近日発表いたします。
【下旬】コミュニティメンバーの実践報告&瀬戸昌宣さんによる壁打ち
その月に皆さんが実践したことをシェアしあいます。また、瀬戸さんとの対話のなかで、自分でも気づかなかったような自分のなかの「種」に気づくことができます。
(5月の開催日時はまたお知らせいたします)
【参加費】
コミュニティメンバー:8000円/月(税込)
座談会のみ、コミュニティメンバー以外もご参加いただけるチケットをご用意します(4000円+税)
※基本的にはオンラインでのご参加になります。
※すべて1カ月間のアーカイブがございます。
参加者1人1人との対話をできればと思っておりますため、先着50名様のお申し込みとさせていただきます。ご了承くださいませ。
ご応募お待ちしております!