著: 那須耕介(ナスコウスケ)
1967年生まれ。京都大学教授。専門は法哲学。おもな著書に『法の支配と遵法責務』『ナッジ!?』(共編著)(以上、勁草書房)、『社会と自分のあいだの難関』『バーリンという名の思想史家がいた』『ある女性の生き方』(以上、SURE)、共訳書に『熟議が壊れるとき』『メタフィジカル・クラブ』など。2021年9月7日逝去。享年53。
もう一つの小さなものさしを いつも手元にしのばせておきたい
余計なこと、みにくさ、へり、根拠のない楽観… 法哲学という学問の世界に身を置きながら、「余白」に宿る可能性を希求しつづけた人が、余命のなかで静かな熱とともに残した随筆15篇。
昨夏に惜しまれつつも逝去した著者による、「京都新聞」での約2年間の寄稿をまとめた随筆集。
「何をしているのか、と尋ねられたら、遊んでいるんだとしか答えようがない」
「余計なことへの捨て身のうちこみが、私たちの生活になくてはならない手ごたえと手触りを与えている」――本文より
*なぜ那須先生の遺稿集を「ちいさいミシマ社」から出すことになったのか?
こちらもあわせてご一読いただけますと幸いです。
★ちいさいミシマ社の挑戦|【第3回】那須さんとの永遠の本づくり
家の中の余白 「能力」は本人のものか? ありあわせの能力 もう一つのゴールデン・スランバー つたなさの方へ 謝らない人 「忘れたこと」はどこに行ったか? 羨望と嫉妬 鞠と甕 悪筆 やらないではいられない、余計なこと こける技術 黒めがね、マスクそして内心の自由 傘はいらない 大学の「へり」で