1,800円+税
判型:四六判並製
頁数:240ページ
装丁:尾原史和(BOOTLEG)
発刊:2021年3月19日
ISBN:978-4-909394-49-1 C0095
1967 年、徳島県生まれ。龍谷大学教授。専門は文化社会学。著書に『中高生の社会化とネットワーク』(ミネルヴァ書房)、『カワイイ社会・学』(第25回橋本峰雄賞、関西学院大学出版会)、共編著に『無印都市の社会学』(法律文化社)、『〈オトコの育児〉の社会学』(ミネルヴァ書房)などがある。現在、7歳の息子と2 歳の娘の子育てまっただ中。
◎これまでの生活が一変した…
「変わったこと」をあげればきりがない。あらゆることにおいてそれまでの自分のペースはことごとく崩され、子どもの生理や生活を基にしたものに切りかえられた。けれども、それは決して不本意なことや嫌なことではなく、人生半ばを過ぎたところで思いがけず遭遇した、生活に新鮮なリズムとテンポをあたえてくれるうれしい転機だった。(まえがきより)
◎妊娠がわかったとき…
この上なくうれしい気持ちである自分と、必ずしもそうではなさそうな妻。妻がなぜ喜びに満ちていないのかよくわからないままでいた。(第一章より)
◎妻がつわりのとき…
もともと体力のない妻は、つわりでその少ない体力も奪われ、体重も落ちた。やつれて顔はひとまわり小さくなった。あたりまえだが、私のからだには何の変化も起こっていない。苦しみを負担しようにも、私は全くの無力だった。(第一章より)
◎子どもの歯磨き…
子どもの歯を気にかける。子どもが嫌がっても歯をみがく――とるにたらない日常のひとコマだ。歯みがきにかぎらず、私たちはこのような些細なことを、日々、無数に繰り返している。そうしていくうちに、しらずしらず、子どものあしらい方が板についてくる。私たちは劇的に親になるのではない。こまごましたルーティンの営みと小さな努力の積み重ねによって、 だんだんと親になっていく。(第三章より)
まえがき
第一章 まだ父になっていなかった
妊娠/変化/誕生/ケア
第二章 父になっていく
無理/料理/失敗/物語/遊び/ふく/洗濯
第三章 生活というドラマ
病気/甘物/正月/讃歌/成功
第四章 社会とつながりなおす
帰省/迷惑/礼所/公共
第五章 「家」や「血」をこえて
時間/別れ/先祖/法事/有名
第六章 兄になったじゅん
宝物/距離/生活
あとがき