はやくはやくっていわないで
『はやくはやくっていわないで』本文1
『はやくはやくっていわないで』本文2
『はやくはやくっていわないで』本文3
13刷

はやくはやくっていわないで

原作 益田 ミリ
画、イラスト 平澤 一平
  • 定価 1,500 円+税
  • 判型210(横)×260(縦)角背上製
  • 頁数54 ページ
  • 発刊2010年10月30日
  • ISBN9784903908212
  • Cコード0095
  • 装丁鈴木成一デザイン室
取扱書店 一冊!取引所

本の詳細

◎ロングセラー13刷決定!(2022.5.13) 【第58回産経児童出版文化賞受賞】 きこえていますか? この子の声、あの人の声、わたしの声・・・ 「どうしていそぐ」 「いそいでどこいく」 「ひっぱらないで」 「おさないで」 この絵本には、いまを生きるわたしたちがつい忘れがちな、とても大切なメッセージがつまっています。となりにいるお子さん、大切に思うひと、そしてこの本 を手にする皆さん自身の心の声でもあります。この声に耳をふさぐことなく、しっかり耳をかたむけてみてください。自分が自分のところに戻ってくる、そんな 感じがするはずです。 読み聞かせや、声に出して読むことも、おすすめします。 【著者より本書刊行によせて】 わたしの心を温かくしてくれる思い出のひとつに、小学校一年生のときの教室でのできごとがあります。 その日、クラスのみんなでくじ引きを引くことになりました。なにをもらうためのクジだったのかは忘れてしまったけれど、楽しい雰囲気だったから、きっとレクレーションの時間だったのでしょう。 担任は若い男の先生でした。順番にクジを引きなさいと先生が言ったので、生徒たちはいっせいに前に走っていきました。 だけど、わたしはグスグズしていて出遅れてしまった。クラスメイトの中で一番ビリ。 こんな最後に並んだら、もういいものなんてもらえない・・・。 そう思うと悲しくて、せっかくの楽しかった気持ちもしぼんでしまったのです。 すると、思ってもみないことが起こりました。先生がわたしのところにやってきて、みんなの前でこう言ったのです。 「一番最後に並んでえらかったな」 わたしは先生に誉められてびっくりしました。びっくりしたけど、すごくうれしかった。うれしくて、うれしくて、もう35年も昔のことなのに、思い出すと今でも温かい気持ちになるのです。 先生は、最後の子供までちゃんと見ていて、待っていてくれた。はやくはやくって言わないで、待っていてくれたのです。 励まされたり、なぐさめられたり、人はたくさんの言葉を受け取って前に進んでいく。でも、一番うれしいのって、誰かが待っていてくれたことじゃないかなとわたしは思うのです。 ながく読みつがれる絵本になることを願って。 2010年10月 益田ミリ

著者情報

原作: 益田 ミリ(マスダ ミリ)

1969年大阪生まれ。イラストレーター。主な著書に『ほしいものはなんですか?』(ミシマ社)、漫画『すーちゃん』シリーズ、『週末、森で』『47都道府県女ひとりで行ってみよう』(以上、幻冬舎)、『ふつうな私のゆるゆる作家生活』(文藝春秋)、『お母さんという女』(光文社)、『言えないコトバ』(集英社)、『アンナの土星』(メディアファクトリー)などがある。

画、イラスト: 平澤 一平(ヒラサワ イッペイ)

1967年秋田生まれ。イラストレーター。中央美術学園卒業。東京ガスカレンダーコンペグランプリ受賞。第9回イラストレーション誌チョイス大賞にて大賞受賞。TIS第1回公募大賞受賞。本や広告の挿画・装画、カタログ、プロモーションビデオのイラストレーションなど幅広く活躍中。半立体の木彫りの作品が多い。本書は水彩画。

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