2008,09,28, Sunday
先日、読者の方から届いたあるお手紙に、心がさらわれました。
『インドに、過去は新しく、未来は懐かしい、という言葉があります。 過去の出来事は、想い出とともに新しく甦り、 未来の出来事は、懐かしさを通してやってくる、という意味でしょうか』 三十年以上一緒にすごした旦那さまが急に亡くなられ、 悲しみにくれながらも、 決して後ろ向きでなく、 一緒にすごした過去の日々を、未来に見ながら 歩いて行かれようとしているこの方のお手紙。 胸が苦しくなるほどの愛の言葉で溢れていました。 届いた日、涼しくなった秋の夜のなかを歩きながら、この言葉を思い出し、 意味を深く考える前から涙がぽたぽた落ちました。 色んな方のもとへ作家さんが魂を込めた本が届くことによって、 私たちもまた、こうして色んな方の人生を知ります。 そしてまた、自分が今ここに生きている意味を考えます。 読者の方からのお手紙は、宝物です。 |
2008,09,27, Saturday
以前、私は本屋で働いていた。
先日、その本屋さんの社長さんとお会いした。 私が退職する際、このOさんは、 「本の世界にもどってくることがあったら、いつでも会いにおいで」 と言って下さった。 「おかえり、久しぶりだね」 と言って、以前と変わらずあたたかく迎えて下さった。 色々、今どうしたら良いのかなと思っている事柄をOさんに伝えると、 とても素敵な言葉が返ってきた。 「大事なことはいつだって、難しいことじゃないんだよ。 誰にでもわかる、いたってシンプルなこと。 それを続ければ、おかしなことにはならない」 その後も「次郎物語」「赤と黒」などの本の話、作家さんの話、 何かあると思い出す名文の話など、様々な本にまつわる話をして、 とっても楽しくて、気がつくと二時間がたっていた。 この書店では一年半前から、すでに全国にある店舗でしっかりとお取引をいただいている。 私はミシマ社に入社したとき、本部へ全店での口座開設のお願いをしに伺った。 その時、同期と、当時の上司が同席して、協力してくださった。 お店では、当時お世話になった上司、先輩や後輩が、今いるそれぞれの店舗で、 応援してくださった。 売り場でお世話になった出版社の方々からも、折にふれ色々とお声をかけていただいて、 心強くなることがたくさんあった。 今でも、ずっとだなんて。 本当に、ありがたい。 そしてミシマ社に入社後の今までに初めてお会いした、様々な本屋さん、出版社の方々に そして読者の方々に愛情をいただいている。 だからこそ、その愛情を、コンテンツで、営業力で、気持ちで、 自立して新しい世界を切り開いて行く力に変えたい。 そして、今一緒にすべきことは何なのか、何ができるのかを、真剣に考えたい。 改めて、働かせていただいた本屋さんに、感謝の日だった。 大事なことはいつだって、難しいことじゃないんだよ。 誰にだってわかる、シンプルなこと。 それを続ければ、おかしなことにはならない。 がんばろう。 |
