2009,07,24, Friday
いつもお世話になっている、
紀伊國屋書店北千住丸井店さん。 このお店の岡田店長に、讀賣新聞のウェブサイト 「本よみうり堂」の「書店員のオススメ読書日記」にて、 松本健一先生の『海岸線の歴史』を紹介していただいているとのこと ![]() 早速拝読。 日本の海岸線はべらぼうに長い。 ただ長いだけでなく、白砂青松あり岩礁あり、豊かな表情を見せる。 そこから水産物に多様性が生まれ、航海術にも影響を及ぼし、 時代に応じて港の優劣が決まった。 海岸は日本のナショナル・アイデンティティをすら醸成する、という。 この本はまず、どこの棚に収めるべきか迷う。 文化史でもあり、自然史でもあり、エッセイでもあれば日本論でもある。 どうすればお客様がすんなりと手に取ってくれるだろうか? どこか1ヶ所にとなると棚の担当者、 ひいては店の考え方・ものの見方に大きく左右されることだろう。 そして既存の分野の際にあるこのような ―タイトルからして「際」を主張するような― 本は、内容が気になってしまう。 書名から置くべき棚を判別できなければ、中を読んで判断するしかないから。 と、仕事にかこつけているようで、 こうした未踏の地に踏み込むような読書がいちばん幸福であったりします。 岡田店長、ありがとうございます。 ミシマ社の本は、どこに置いたらよいのか迷うという本屋さんからの ご意見、実はよくあります。 それを岡田店長のように、読んで棚を考え、お客様に届けていただけることは 本当にありがたいことだなと思います。 昨日、三省堂書店成城店の内田店長と電話でお話をしていました。 「ぼくの中で『海岸線の歴史』は、今年の人文書のベスト3に入っています。 本当に、すばらしい本ですね」 という言葉をいただきました ![]() たくさんの本の海の中で、光る本であること。 本屋さんの、こういったお声、読者葉書からのお声を力に、 がんばらねば。 ![]() ありがたいことに最近、読者葉書が益々増えております。 本当に少しずつ、ゆっくりで申し訳がないことですが、 毎日、林とお返事書いております。 いつも本当にありがとうございます ![]() |
